ヤ キ モ ノ 

安倍 安人    

 ヤキモノは、土を焼いてある。

 時代や国、民族、目的、環境などで、そのありさまは多岐に渡り、今日では、人間の肉体の一部から、はたまた宇宙までも浸透している。

 例えば、茶の湯の茶碗と、宇宙へ伸びたニューセラミックは全く別物のように感じられるが、ヤクという行為の上では全く同じことである。このことを、まずご理解いただきたい。

 しかし、
そのヤクがヤケに変わると、そのありさまは無限に拡がっていく。

 私は、その中の点にも満たない部分に、必死にしがみつこうとしている。そして、そのヤケに似つかわしい形を、絵画、彫刻から覗き、なお使える物に育てようと、指が愛撫しているのである。




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