茶房ものはらへようこそいらっしゃいました。ゆっくり閲覧ください。

No.668さむしろ2014-04-12 14:12:44.93158
「胴部分が外側に張り出し、反対側の胴部分が内側に反っている」ということだが、このことは三角花入についてもいえることで、画面の三角花入を少しずらして、見る角度を変えると同じように反って見える。

見直しました。動画中の三角花入も左側に反っていますね。写真では正面より少し右側から見ていますが、正面から少し左側から見ると逆に反って見えます。

安倍さんはこれまで名品備前は何度も何度も繰り返して焼いていると話してこられたが、「あたり」から複数回焼いたことがわかると具体的に示しておられる。映像が悪いのでわかりにくいと思うので、出来れば画面に登場する作品を図録の写真で細かくみていただきたい。
No.669さむしろ2014-04-14 17:28:26.755291
花入を向う掛にするためのカンをつける穴が表裏二ヶ所にあけてある。向う掛とは、床の間の正面の壁の中央あたりに花入を掛けるための、折釘の先が出し入れ自由になっている釘があるので、それに掛けることを向う掛にするといった言い方をする。

穴が埋められているが、これは、向う掛にすることをしなくなり、床に置くようになったためと思われる。

透文大鉢は10回どころではなく多数回焼かれているようである。
No.670さむしろ2014-04-15 17:42:57.157015
繰り返しになるが、「あたり」から複数回焼いたことがわかると話しておられる。安倍さんの話を聞くまでは、複数回焼くということは念頭になかった。複数回にわたって焼くということは、むしろ焼成の失敗をイメージしていたような気がする。複数回の焼成が、即アーティストものということには必ずしもならないかもしれないが、判定のためには重要なポイントである。
No.671さむしろ2014-04-16 17:37:41.414839
古備前は30〜40日間にわたって窯焚きをするということがいわれていて、本にもそのように書いてある。40日間も焚けばその間には複数回(2回3回あるいは5回6回)にわたって1300〜1350度に至ることがあるだろうから、それにより作品の転がりなどでズレが生じたり変化が生まれ得るので、ここで述べているように直ちに複数回にわたって焼成をしたとの証拠にはならないのでは、との疑問が寄せられた。

この疑問について。40日間も焚くのは大窯のことで、今でも森陶岳さんがされているように大甕などを焼く(もちろん小物も同時に焼くと思われる。)場合のことである。安倍先生の最近の窯は、4日程度の窯焚きと聞いている。桃山期の窯、もちろん名品を焼いた窯もだが、当時も4、5日から1週間程度の焼成ではなかっただろうか? それ以上は「まき」の無駄で、当時は今以上に「まき」は大切な資源であった。

一回の窯焚きで1300〜1350度になっている時間は1時間程度で、それを超えると山土でも火袋が出来たりへたったりしてしまうそうだ。また長時間になると胡麻とともにボディも熔けて流れるということもあるという。
No.672さむしろ2014-04-17 17:14:12.437004
何日間焚こうが1回の窯焚きで1350度(目標温度、田土の場合1250度くらい)を維持して焚くのは1時間程度の1回のみ。40日間というのは窯全体の温度を上げるために日数がかかり、また全体を冷ますのに日数がかかり、その日数も含まれている。大窯では全体が同時に目標温度に達しないので、まず最初に下の室の作品を焼き上げ、次いで二番目の室の作品を焼き上げ、上に向かって順に焚きあげていく方法(横からまきを入れて焚く)だろうと思う。
No.673さむしろ2014-04-18 19:13:22.15231
灰が溶けきらないまま幾層にも重なると溶岩がこびりついたようになり、そうなると、もう温度をあげても溶けないそうだ。従って、40日間という長期間の焼成で、胡麻のズレや複数の景色が現れる可能性は極めて低い。
例えば備前透文鉢だが、見込みに沢山の胡麻が降っているが、裏面をみるとそちらにもたくさんの胡麻が掛かっているそうだ。他の名品もそうだが、図録に出ている面だけでなく隠れている方も同じように見ないと真実は見えない。
  おわり
No.674さむしろ2014-05-02 12:47:09.750449
古い箱。
No.675さむしろ2014-05-02 12:48:06.858905
「備前鉢」とある。
No.676さむしろ2014-05-02 12:49:21.625001
備前鉢見込。見込には大きな”ぼたもち”が一つある。
大きく巻いている。
No.677さむしろ2014-05-02 12:49:58.09669
備前鉢裏。
No.678さむしろ2014-11-19 18:45:45.550093
来年は古田織部没後400年となる。今年から来年にかけて織部関係の催しが行われるものと期待している。

「没後400年古田織部展−織部とは何か?−」
12/30〜1/19 松屋銀座
2015.3/2〜4/12 広島:三次は奥田元宋・小由女美術館
来年秋ごろ 滋賀展:佐川急便美術館と巡回の予定。
No.679さむしろ2014-11-19 19:03:28.744591
この織部展では、床の間を三つ作り、一つに備前三角花入、一つに唐津花入、一つに竹籠花入をそれぞれ掛けて花を入れ、当時の織部と客たちが見た床を再現し、来場者に見ていただこうという趣向のようだ。

それぞれの花入は茶会記録からの再現と思われるが、安人作備前三角花入が展示される予定で、作品はすでに送られていると聞いている。
久々の嬉しいニュースであり、オープンが待たれる楽しみなニュースである。
No.680さむしろ2014-11-23 18:20:37.097891
HP「ANJIN ABE」のブログ(http://anjin-a.com/blog/)で「2014年をおもう」と題して連載が始まった。

先に紹介した「古田織部展」の展示会場に設えられる織部好みの床に掛けられる三角花入の制作苦労話が随時アップされる予定。お楽しみに。

No.681マスター2014-12-03 10:50:37.483884
備前焼ギャラリー青山で

「安倍安人・吉川恵司二人展」 が開催されます。

 期間 12月6日〜12月13日(8日休廊)
No.682さむしろ2014-12-29 15:39:09.930367
明日から
 「没後400年 古田織部展」 が始まります。

東京展
場   所 松屋銀座8階イベントスクエア
開場時間 午前10〜午後8時
会   期 2014年12/30(火)〜2015年1/19(月)
               ※1月1日は休業
広島展
場   所 奥田元宋・小由女美術館
会   期 2015年3/2(月)〜4/12(日)

滋賀展
場   所 佐川美術館
会   期 2015年10/10(土)〜11/23(月・祝)


会場には、古田織部好みの床が再現され、安倍安人作「備前三角花入」が向う懸にかけられると聞いています。

花も古書の記録にもとづいて活けられるようですが定かではありません。会場で確認してください。

写真の花入は安人作備前三角花入ですが、写真で見慣れた角度ではなく、本来の位置に鐶がつけられているので、もともとの正面、つまり織部やその客が正面として見たはずの面となっています。
No.683さむしろ2014-12-30 17:16:50.339801
「没後400年 古田織部展」では、当時、どのように床と花を見たのかを再現して見せようと、床を設へ、古茶会記にある花を活けるという企画をされたようである。

名品花入れを向う掛にするわけにはいかないということで、安倍さんに三角花入制作の依頼がきたようだ。安倍さんに「三角花入」と言えば上記NO633、NO642にある写真の花入であり天下の大名品のことである。

この”ものはら”で今年の二月ごろから三角花入の名品たる所以について安倍さんから聞いた話を文字起こしをして連載しているので、初めての方は併せて読んでいただくと理解の助けになるのではないかと思う。

展示の花入の制作過程を詳しく紹介するためのコーナーを準備中だが、若干手間取り、アップまでもう少し日にちを要するので手元の写真を見ていただくことにする。

写真は花入下三分の一部分の制作中のものである。
No.684さむしろ2014-12-30 17:31:38.778006
正式な制作依頼があったのは、必ずしも定かではないが7月の終わりごろであったと思う。写真撮り、図録の制作などを考えると10月中には仕上げる必要がある。

安倍さんの数度焼きでは、少なくとも半年程度の期間は必要である。3ヶ月程度しかない今回の依頼は、安倍さんにとって随分窮屈で気忙しいものであった思う。
No.685さむしろ2014-12-31 11:50:16.208565
正面。
No.686さむしろ2014-12-31 11:51:33.926062
裏面。
No.687さむしろ2014-12-31 11:55:01.426064
酷暑の中、窯焚きが始まる。
No.688さむしろ2014-12-31 11:57:18.685843
窯焚き。

煙突から吹き上がる黒煙。
No.689マスター2015-01-01 09:08:05.021491
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
No.690さむしろ2015-01-01 09:11:16.593167
窯焚き終了。

焚き口を、レンガと粘土で封鎖。
No.691さむしろ2015-01-01 09:16:38.959604
窯を開く。

窯の床にたまっているのは灰。

焚きあがった窯の中はこのような状態である。
No.692さむしろ2015-01-01 09:26:42.270356
窯を焚き上げて封鎖してから窯出しが出来るまでに温度が下がるのに数日かかるだろうことは私でもわかる。

待ちきれない安人さんは、特に今回は時間がないこともあり、窯が冷めないままに窯を開けた。かといってこのままでは中へ入って作品を出すことは出来ない。

安人さんがとった衝撃の行動は・・・。
No.693さむしろ2015-01-02 09:32:42.652992
焚きあげた窯を急激に冷ますと、焼き上げた作品にヒビやワレが入ってしまうと聞いている。しかし、安人さんは少しの躊躇もなく水をかけ続けた。
No.694さむしろ2015-01-02 09:37:15.976159
焼成を終えた作品。
No.695さむしろ2015-01-02 09:47:37.851521
窯が蓄えた熱量は、水をかけたくらいで窯中に入れるほど半端ではない。安人さんは、窯床に板を敷き直接の熱を避け、目当ての作品だけを素早く取り出した。
No.696さむしろ2015-01-03 09:35:02.407208
第一回目の焼成を終えた三角花入。
どれにもワレ、ヒビともにない。

安倍さんは、水指にしても花入にしても「同時に同じものを数点作って、その内の出来の良い一点を残す」ということはしない。

夜、テレビを見ながら、旅先の宿で、ちょっとした合い間に作品のデッサンを書きためたものがある。書きためたもののうちから数枚を選び、それにもとづいて水指何点、花入何点というように造る。

つまり、その都度、同形のものは、作るのも一点、焼くのも一点、出来上がるのも一点であり、同じ形のものを同時に複数造ることはない。しかし、今回は「写し」がほしいとの要請であり、限られた時間で失敗は取り返せないということから複数点を造らざるを得なかったということである。加えて制作焼成の過程で新しい発見があり、どんどん数が増えた。
No.697さむしろ2015-01-04 10:35:26.21278
時間がない。

焼き上がりを確かめると、次ぎの狙いを込めた窯詰めをする。
No.698さむしろ2015-01-05 09:54:57.24264
何度かの焼きを終え、次の焼きを考える。
No.699さむしろ2015-01-07 10:16:05.067297
何度目かの焼成後。
No.700さむしろ2015-01-07 10:18:56.383954
焼成における付着物を洗い落とし、焼けの状態を確認。
No.701さむしろ2015-01-08 11:59:22.042706
窯焚きは続く。
No.702さむしろ2015-01-09 12:37:58.610498
最終段階に近づいているが、あと数回の焼きが残る。
これで7〜8回の焼成か?。
No.703さむしろ2015-01-13 10:50:47.389232
今回制作の三角花入は向う掛となるためカンが必要となる。鍛冶屋も始まる。
No.704さむしろ2015-01-13 11:00:38.270914
カン制作。

No.705さむしろ2015-01-13 11:08:09.678891
準備中だった『ヘウケモノ也』をスタートしました。

不慣れな制作のため時間がかかりボツボツの掲載です。

気長にお楽しみ下さい。
No.706マスター2015-02-18 16:25:10.028948
PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015
ギャラリー周遊型イベント
「街をめぐる、現代アートに出会う」が開催されます。

主催:京都アートマップ実行委員会(21画廊)
期間:2015年3月7日(土)〜22日(日)

安倍安人の展示会場:「アートスペース感」(京都市北区堀川通今宮一筋下る東入東高縄町69)
No.707マスター2015-02-18 16:27:13.76719
「街をめぐる、現代アートに出会う」
No.708マスター2015-09-08 16:17:42.481542
美術展のお知らせです。

特別展 破格ー桃山備前ー
期間9月18日(金)〜11月8日(日)
場所 岡山県立博物館

HPには、
「安土・桃山時代に制作された、『茶の湯』にかかわる備前焼を一堂に集めた展示を行います。陶芸家や茶人の方の協力を得て、『破格』とも表現される桃山備前の魅力を様々な視点から紹介します。
とあります。


わたしが得た情報では「様々な視点」がキーワードで、これまでよくみた一面的な鑑賞、解説にとどまらず、多面的な視点から『破格』がなにであるかを見せ、あるいは考えさせるものになるのではないかと期待しています。

展示作品の詳細は今のところ不明ですが、安倍安人さんがいうところの「アーティストもの」に特化した、これまでなかった、あるいはやりたくてもできなかった画期的なものになるようです。

聞くところによると、上記のように画期的な催しにもかかわらず、予算の都合(?)で広く広報ができていないようです。興味のありそうな方には声掛けをして広報に協力ください。
No.709マスター2015-09-08 16:19:29.342352
備前の異彩「安倍安人展」 が開催されます。

期間 平成27年10月2日〜11月25日
場所 岩国美術館
     山口県岩国市横山二丁目10-27
     錦帯橋近く吉香公園内にあります。

東予時代から近作までの安人作品が展示されます。
こちらの広報にもご協力をお願いします。
No.710マスター2015-09-10 17:49:16.723961
備前の異彩 安倍安人展
「ギャラリートーク」

会場 岩国美術館1F
山口県岩国市横山二丁目10-27
日時 平成27年10月10日  午後1時30分〜3時30分

第1部 アベアートの造形と焼成
      展示作品を中心に

第2部 桃山名品茶陶の真実・裏から見えてくるもの
     
    9/18〜11/8 岡山県立博物館で開催の「破格 −桃山備前−」の図録を見ながら
    徹底解説をしていただきます。


「破格 −桃山備前−」の図録をお持ちの方は持参して、図録を見ながら話を聞かれれば分かりやすいと思います。
図録は、当日、会場でも準備しておきますので、ご希望の方は買い求めください。

会場の都合で、椅子席に制限があります。
参加を希望される方は、予約下さい。(立ち席も多少あるようです。)
予約は、岩国美術館
メールinfo@iwakuni-art-museum.org
まで。

No.711マスター2015-09-30 17:39:15.198278
備前の異彩「安倍安人展」 1日早くが始まります。

期間 平成27年10月1日〜11月25日
場所 岩国美術館
     山口県岩国市横山二丁目10-27
     錦帯橋近く吉香公園内にあります
No.712マスター2015-09-30 17:41:21.708839
早速、地元ケーブルテレビの取材を受ける。
No.713さむしろ2015-10-04 11:10:48.785087
蕎麦屋さんにあった花。
No.714さむしろ2015-10-16 18:56:30.188919
10月10日(土)岩国美術館で安倍安人のギャラリートークが行われた。
第1部で展示作品を中心にアベアートの造形と焼成の話。
第2部で岡山県立博物館で開催中の「破格」の図録を見ながらの個別解説があった。破格の図録には、いつも見慣れた角度の写真だけでなく、後ろ・左・右・上・下からの写真が資料として収録されていて、これを見ながらの解説は大変わかりやすかった。
同日は中国新聞(本社:広島市の地方紙)の記者が取材に来ておられ、翌日の新聞に載っていた。

No.715さむしろ2015-10-17 14:15:13.78834
10/10の夜は岩国で一泊。夜遅くまで”やきもの談義”が続いた。あくる日は山陽道で岡山へ。

岡山県立博物館で開催中の「破格」展をみる。安人さんの個別列品解説付きでこの上ない贅沢な作品鑑賞であった。
 
No.716さむしろ2015-10-18 12:28:40.310804
今朝、友人からCメールがとどいた。9時半に岡山県立博物館に着いたが開館は10時だったというとんまなメールだった。三角花入ほか特に入念に見ておくべき品を書き入れて返信しておいた。

その後のメールによると、安人さんが来ておられて、話をしていたら声が大きいと注意されたらしい。
No.717マスター2015-12-06 17:49:55.394411
安倍安人展が始まりました。

場所 備前焼ギャラリー青山
     東京都港区南青山6−1−6パレス青山206
期間 12月5日〜12月20日(月曜日休廊)



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