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門脇 |
これまでメトロポリタン美術館とは何か交流があったのでしょうか? |
安倍 |
特別なものはありません。 |
門脇 |
何年か前に、ニューヨークで個展をされましたがあれはどういうものだったのですか? |
安倍 |
7年程前(注:'03年の秋より、以下同)になりますかね、個展をやったのは。 |
門脇 |
そのときに何か今回を予感させるようなものがあったのでしょうか? |
安倍 |
そのときはオープニングパーティがありましてね。来てくださったのが、茶道関係のYさん、メトロポリタンからは、学芸員のBさん、特別顧問のMさんですね。
それからニューヨーク州立芸大の彫刻科の教授、イエール大学の哲学科の美術史の教授夫妻、ロックフェラーの専属のデザイナー、ニューヨークタイムスの文化部の記者、講談社・ニューヨークの人、それからブルックリン美術館の学芸員、そしてアメックスの副社長夫妻と、それだけがだいたい主だった人達です。
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門脇 |
それじゃ、結構来られたのですね。 |
安倍 |
ええ、それはそうそうたる連中ばかりです。
というのは、アメックスの副社長の奥様の招きで、ぼくは展覧会をしに行っていましたから。
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門脇 |
と言いますと? |
安倍 |
アメックスの副社長の奥様が壷中居でぼくの展覧会を見て、その奥様が関係しているギャラリーがニューヨークにあるので、そこで個展をやらないかということでやったんです。
ここでやらないか、という話でぼくは行ってますからね。それでこういう人達が来てくれて。
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門脇 |
なるほど。 |
安倍 |
これだけそうそうたる人が。
日本でも、ぼくの展覧会に、こんなに大物が集まったことはない。
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門脇 |
はい。 |
安倍 |
そこでぼくがね、いわゆる織部様式の話をして。そしたら皆んな熱心に聞いてくれて。Bさんも主人が日本人で、日本語がもうペラペラなんですね。 |
門脇 |
ほう。 |
安倍 |
それで、このニューヨーク州立か市立か、忘れましたが、芸大の彫刻の先生が、ぼくの作品を解説してくれるんです、自分なりに。 |
門脇 |
はい。 |
安倍 |
で、安倍さんの作品は彫刻なんだと。なぜかというと、回転がある。最後のフタのつまみがある。それが宇宙へむけて直線に伸びている、と言うんです。
ぼくもそこまで思っていないのに。(笑)
で、皆んなに説明するんです。これはすごい彫刻だと言うてくれるんで、ぼくは黙っていました。(笑)
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門脇 |
それじゃ、その方は結構早い時期に安倍備前が彫刻であると気がついていたんですか? |
安倍 |
そうそう。 |
門脇 |
そうですか。 |
安倍 |
それとかね、イエール大学の先生はね、とにかく日本に焼き物の勉強に行きたいと。それで、夫妻で日本料理屋へ呼んでくれたんです。帰ってきて阪大のT先生に言うたらね、これ、ものすごく有名な先生で、来られたら、是非阪大で講義してほしいと言われたんだけど、そのままになってしまった。
この人達、名刺さがせば出てくるんですけど、まとめてどこかへつっこんでしまっているんで…。
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