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安倍 |
で、「腰は芋のように作る」とか、文章で書くんです。なぜ文章で書くかというと、絵で描いてしまうと、それから抜けられなくなるんです。 |
門脇 |
はいはい。 |
安倍 |
文章はね、どのようにでも変われるんです、頭の中で。 |
門脇 |
ほう。 |
安倍 |
絵で描いてしまったものは、もう、その絵から抜けることが出来ないんです。 |
門脇 |
はいはい。 |
安倍 |
だから、ほとんど文章で書くんです。 |
門脇 |
ほう。 |
安倍 |
これは昔から、絵を描いていた頃もそうなんです。絵をスケッチするでしょう。ぼくは、全部文章でスケッチをしてるんです。 |
門脇 |
ほう。 |
安倍 |
大まかにスケッチして、あとは文章を書くわけです。「空は青くて、どうで、雲はこう」とか、全部書いておくわけです。 |
門脇 |
はい。はい。 |
安倍 |
文章というのは、時間が経ったら、イメージが変えられるんです。 |
門脇 |
はい。 |
安倍 |
そのときのイメージで。今日のイメージはこう、とか。それをスケッチできれいに描き込んでしまうと、変えようがないんです。 |
門脇 |
もう、形が決まってしまうんですね。 |
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