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安倍 |
明らかに。それはすごいんですよ、それは。
いろんな説を言う人がいるけど、とにかく備前の桃山といったって、擂鉢や壷から始まって、天下の名器まである。そのすべてを見てそれから本を書け、と。壷や甕や擂鉢を見て、それで備前を語るな、と。天下の備前の名品は数億、最高5億くらいするのではないでしょうか。
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門脇 |
はいはい。なるほど。 |
安倍 |
それはね、やっぱりね、“億”のものっていうのはね、そこら場末の道具屋にある数百万のものとはね、明らかに違うんです。 |
門脇 |
はぁ。 |
安倍 |
なるほど、これは“億”するんだと。 |
門脇 |
はい。 |
安倍 |
こっちは、そこら辺の骨董屋で数百万だと。同じ桃山なんだけど。 |
門脇 |
ふん、ふん。 |
安倍 |
けど、もう、こんなに違うんかというほど違うんです。 |
門脇 |
ふーん。 |
安倍 |
そりゃあ、もう全然違うんです。なんでこれほど違うものを、同じ窯なり産地で作り上げたんか、と思いますね。 |
門脇 |
ほ−う。 |
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