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安倍 |
このコレクターも、香合を集めようとしたんではなくて、面白い、小さな蓋物を、これは面白いというんで集めたんだろうと思いますね。 |
門脇 |
はい。 |
安倍 |
茶とかなんとかということはなしに。 |
門脇 |
そういうことかもしれませんね。根付とかも、結構外国で人気があるようですが、それと同じ感覚なんでしょうか? |
安倍 |
根付は江戸で、収集の時代が現代ですよ。
名品というのはどういう感覚でああいうものを作ろうとしたのか、また、言われた側は作ったのか、もう、想像を絶しますね。
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門脇 |
あれが、多分20年あまりの間ですよね。 |
安倍 |
えぇ。もっとも名品というのは、何百もありませんね。 |
門脇 |
はい、はい。 |
安倍 |
せいぜい、二十ほどでしょうね。ぼくらがいう名品というのは。 |
門脇 |
その間に、そこまでのレベルに一気にあがったんでしょう? |
安倍 |
そうそう。過程がないからね。 |
門脇 |
ゼロから始まって。 |
安倍 |
そうそう、ゼロから始まって、一気にのぼりつめた。それが不思議だ。 |
門脇 |
うーん。 |
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