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安倍 |
例えば、焼成温度一つ取ってみても、私の場合1350℃ぐらいに上げますが、現代の焼成は1200℃を基準に考えるから過去が見えてこない。紀元前に硅石を溶かしてガラスを作っているんです。当時の職人達には1450℃に上げることは極当たり前の常識だったのではないでしょうか。ちなみに1200℃は長石釉の溶ける温度で、硅石釉となると1400℃以上必要ですから…。だから現代のやきものは土、ボディーが焼けていないのですね。 |
門脇 |
なるほど。 |
安倍 |
そしてね、どれもこれも造形の破綻がないんです。 |
門脇 |
・・・。 |
安倍 |
あのね、造形というのは、必ず上達するまでに破綻があるんです。
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門脇 |
はぁ? |
安倍 |
いわゆる、バランスが悪い、せっかく作ったのにバランスが悪いとかね。 |
門脇 |
はい、はい。 |
安倍 |
うるさいとかいうようなものが、あるとかね。 |
門脇 |
えぇえぇ。 |
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