古田織部と安倍安人
「ものはら」では古田織部の「へうげもの」の解明を試みています。何故古田織部なのかですが、それは安倍安人が、桃山名品茶陶群を「織部様式」と呼び、それらが一定のルール「三点展開」によって造られている「アート」であるとの主張を行っていることによります。 桃山茶陶について、桃山という時代が、あのような自由な造形を生み出した。また、自由な交流が、備前で、信楽・伊賀で、美濃で、唐津で同じ時代にあのようなスタイルを誕生させた。歪みは作意の過程の偶然の産物。偶然の産物の複合体が、たまたま今振り返ると非常によくできているというだけの話では、といった考え方が主流のように思います。 桃山から400年を経て初めて安倍安人が、長次郎茶碗の造形は一定のルールに則って造られており、また備前、伊賀、志野、織部、唐津などの名品茶陶も古田織部の関与のもと同一のルールに則って造られているとの説を発表。安倍安人は一定のルールに則った造形を「織部様式」と呼び、各窯に同形類似の作品が数多くあっても、それらについても、アーティストによる「一品もの」と陶工による「職人もの」とに区別しなければいけないと言っています。
リンク