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No.555 | あしろ木 | 2005-08-23 18:58:34.990851+09 |
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いいですね。本物を手にとって見られる機会があるのは、幸せなことです。特に茶碗は実際に茶をいただいて初めてその茶碗の実力を実感します。(あおい) |
No.556 | マスター | 2005-08-23 19:36:19.394743+09 |
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もともと六古窯から入られた方で、鎌倉、室町の壺類をお持ちでした。その後、茶のほうに移られました。茶道具も力強いものがお好きでした。お気に入りは、奥高麗(茶碗)、熊川(こもがい、朝鮮もの茶碗)ではないかと推測しています。 何故か古備前(江戸期)を買っても安倍備前を買おうとはされませんでした。今回そのことについてもお話を伺いました。 |
No.557 | あしろ木 | 2005-08-24 08:19:03.802407+09 |
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道具類への興味、関心の移り方については、共通の価値観を感じますが、ただ一点違うところは「安倍備前」についての認識の仕方でしょうか。(あおい) |
No.558 | マスター | 2005-08-24 19:42:09.14474+09 |
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そうですね。付き合いは長いので経緯はなんとなくわかります。 古美術の世界でいう鑑賞物から入って、だんだん茶の湯にかたむくにしたがって取り合わせを言うようになります。窯とか時代とか色々ですが、調和を求めます。 |
No.559 | あしろ木 | 2005-08-25 09:01:24.729624+09 |
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お師匠様の「安倍備前」についてのお考えは、どういうお話になったのでしょうか? 我々との認識の違いを知りたいです。(あおい) |
No.560 | マスター | 2005-08-25 22:53:25.284647+09 |
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少しお待ちください。 調和はすべての道具について求められます。 桃山の迫力のあるものでそろえることは、道具自体もお金も現実には不可能です。 そうすると遠州時代以降の道具を中心にせざるを得ない。 そして、そんな道具組になれてしまうと迫力のあるものに違和感を感じてしまう、そんな流れになっていくのでしょうか・・・。 |
No.561 | マスター | 2005-08-26 19:05:59.592805+09 |
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初めて図録をみたときの最初の反応は火襷文文字鉢がいいなというものでした。 そして個展に行かれましたが手ぶらでのお帰りでした。思い返してみると、その個展の出品作品は概して焼き味の強いものでした。そのときの強烈な印象がトラウマとなっているような気がします。(つづく) |
No.562 | マスター | 2005-08-28 20:03:12.058787+09 |
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それは十数年前の話です。この6、7年、お邪魔する機会が減り、同時にお師匠さんはお茶のほうへますます深く入られました。たまに出会って話題になると、さらっとゴマのかかったくらいが良いとのご意見です。 このことについては、安倍さんがいう織部様式茶陶の造形や焼成についての考えをまったく認めない立場におられることに原因があります。 先日、初めて聞いた言葉ですが、算木花入を見て「出来はいいし焼きもいいのはわかるがはっきりし過ぎる」とおっしゃいました。 その言葉を聞いて成る程そういうことかとわかりました。 |
No.563 | あしろ木 | 2005-08-29 19:21:11.484786+09 |
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「安倍安人の作品は、はっきりし過ぎている。」とのこと。 お茶人さんはおぼろげな感じの景色をよしとする傾向にあるようですね。安倍さんの現代アート的な備前焼きは、力が強すぎて他の道具との取り合わせに難儀するのでしょうね。(他の道具が力不足ゆえ)(あおい) |
No.564 | マスター | 2005-08-29 22:58:16.714444+09 |
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そうです、そうです。 例えば、普通のコーラスメンバーの中に図抜けた発声をする者がいて、その歌唱力を存分に発揮すれば調和どころではありませんね。 しかし、例えば実力は中程度の高校野球チームにプロ級の選手が一人入った場合には、間違いなくチーム力はあがります。 どのような茶の湯を良しとするかという「茶の湯感」の違いによると言えるのではないでしょうか。 |
No.565 | あしろ木 | 2005-08-30 15:49:43.838599+09 |
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「茶の湯感」の中でも、道具についての「講釈」を楽しむ世界があると思いますが、この「講釈」(物事の意味、性格、伝来などを、もったいぶって説明すること)が言えなければ、楽しみが半減してしまうので、安倍備前のように、見たまま、見るだけで美しいと感じ分かるのは、あれこれ問答を言って楽しめないからではないでしょうか。 お茶人さんだけが楽しめれる、遊べる、分かる世界があるように思われます。一部の人にだけわかる世界(他の人が入り込めないような特別な世界)にひたって楽しんでいる感があるように思われます。(あおい) |
No.566 | マスター | 2005-08-30 17:46:00.279501+09 |
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いろんな楽しみ方があるんでしょうね。 ただ共通するだろう亭主の楽しみは、亭主の「思い」を客がわかってくれることです。名品を用いればいかに名品であるかということが、高価なものを用いれば高価であることが、○○の理由からある道具を用いたのであればその思いがそれぞれ伝わり、そして誉めたり感嘆してほしいのです。 これまでの経験では、「物」(の真贋、価値)がよくわからない人に限って講釈をおっしゃるようです。 |
No.567 | あしろ木 | 2005-08-30 23:50:07.355215+09 |
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なるほどねえ。おっしゃる通りかもしれませんね。笑ってしまいました。 「亭主の楽しみは、亭主の思いを客が分かってくれること」を期待しつつ道具組みを考える時が、とても楽しい時間なのでしょう。 これは、お茶人さんに限らず我々の生活一般に通じるところがあります。例えば大切な人へのプレゼントを選ぶ時、相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら、どれにしようかと迷っている時が楽しいものです。そして、プレゼントを渡したらその反応がとても気になります。自分がそれを選んだ思いが伝わり喜んで欲しいから・・・(あおい) |
No.568 | マスター | 2005-08-31 18:10:59.998539+09 |
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そうですね。 ただ、誉め方にもいろいろあって、その内の一つは良くわかって誉めるもの、もう一つはよくわからないまま誉めるものです。 よくわかった方が誉めると、例えて言えば痒いところを掻いてもらうような心地よさです。そうでない方の場合は逆効果であったりします。 精神性を深く追求される方からみれば、なんだレベルが低いと言われるかもしれませんがそんな一面もあります。そしてそれが結構大きな部分でもあります。 |
No.569 | あしろ木 | 2005-09-01 12:57:17.760059+09 |
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つぼをおさえたほめ方をされると、天にも昇るような快感を覚えます。 しかし、ピントはずれのほめ方では 話のキャッチボールが出来ず、モヤモヤが残って欲求不満状態になってしまいます。(あおい) |
No.570 | マスター | 2005-09-01 19:08:03.774066+09 |
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少し話しをもどして「はっきりし過ぎ」についてですが、これは他のどんな道具と取り合わせるかにもよることです。奥高麗茶碗や熊川茶碗に水指が江戸前期のこぎれいな備前ではどうにも満足出来ません。奥高麗も熊川もちょっと見はおとなしそうに見えるかもしれませんが、そこそこのものになると大変に迫力のある茶碗です。さきの「こぎれいなもの」よりまだ桃山あたりのたね壺のシャンとしたもののほうがおさまりがいいように思います。 |
No.571 | あしろ木 | 2005-09-02 13:17:36.578838+09 |
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「はっきりし過ぎている」安倍備前は、中途半端な「こぎれいなもの」とは調和がとれないですよね。(あおい) |
No.572 | マスター | 2005-09-02 19:12:08.466531+09 |
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結局そういうことです。 古いものと組み合わせたほうがおさまりがいいですね。ですから、例えば安倍安人の水指の前に粉引茶碗を置き合わせてみたりしてみたいと思っています。 写真を撮ればここへ掲載しましょう。 |
No.573 | マスター | 2005-09-03 18:58:10.543159+09 |
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「はっきり」していることについてですが、お盆に拝見した七官青磁算木花入は少しとろんとしていた印象です。私はもう少しキリッとしていてほしいと感じました。 日本画で遠くに見る稜線をみて思うのですが、あるようでないような、でも良く見るとかすかだがはっきりとあるというのが好きです。画としてどのように評価されているか知りませんが、あるようなないような結局よくわからない稜線もどきは嫌いです。 茶碗の口辺でも高台でもキリッとしたところがほしいです。ただこのことと単に乱暴なだけとは違います。 |
No.574 | マスター | 2005-09-04 16:57:20.653067+09 |
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そういえば安倍さんから聞いた事がありますが、乱暴なものを力強いと言ったり下手なものを素朴と言ったりしていると嘆いておられました。ごっちゃにして評論されてはかないません。 |
No.575 | マスター | 2005-09-05 12:56:33.846729+09 |
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2002年に「陶芸と彫刻の稜線〜造形作家 安倍安人展」を開催した島根県奥出雲・絲原記念館理事長絲原義隆さんが今月3日、お亡くなりになりました。絲原家は江戸時代から鉄で栄えた名家で田部、櫻井両家とともに出雲地方の「御三家」と呼ばれた山林地主です。絲原義隆さんは造形作家安倍安人の熱心な理解者のお一人でした。ご冥福をお祈り致します。 |
No.576 | あしろ木 | 2005-09-05 20:29:23.425431+09 |
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絲原記念館での「安倍安人展」には私も参りました。 想像を絶するお屋敷の広さに圧倒されました。お殿様の御成りの間で催された安人展は、これまでの安倍備前の代表作を手に取って見ることが出来て、とてもよかったです。(あおい) |
No.577 | マスター | 2005-09-06 17:53:39.858207+09 |
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写真でしかみたことのないものや初めてみるものが多く展示されていましたね。感動ものの作品が何点もありました。今も頭から抜けません。 |
No.578 | マスター | 2005-09-07 17:54:52.391463+09 |
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絲原記念館での安倍安人展の写真があればほしいですね。どなたかお持ちでないですか? ご一報下さい。 横田のホリエモンさん、お持ちじゃないですか? |
No.579 | マスター | 2005-09-08 18:08:32.304271+09 |
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ホリエモンさんから「あるはずだ」との返事がありました。届けば別室に載せます。 |
No.580 | マスター | 2005-09-13 18:22:51.965899+09 |
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堀江さん(ホリエモンさん)からは今日も連絡がありません。 ギャラリーかわにしさんから、この秋の「安倍安人展」の日程がたった今きまりました、との伝言がありました。 2005年11月17日(木)〜22日(火)です。 どんな作品がでるのか楽しみです。 |
No.581 | マスター | 2005-09-16 19:35:43.063328+09 |
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先日、安倍さんは○△□(果物)が好きだと言う事を聞いていたことを思い出しました。ちょうど今出揃っていましたので、ほかの用事の電話のついでに「○△□がお好きだそうですね?」と聞きました。 「だれが言ってましたか?(だれがそんなことを知っているのかな?とのニュアンス)」 「いやー、大好きなんです」とのお答えでした。 それならいいのがあれば送ります、とお店に走りお送りしました。 わたしも大好きですから、大好きですといわれるとどれくらい好きかの見当がつきます。 |
No.582 | マスター | 2005-09-17 17:46:25.248603+09 |
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NO581は1週間ほど前の話です。 今日も果物屋に寄ってみました。○△□は少し盛りをすぎていますが甘味がつよくなっています。こぶりですがおいしそうなのがありました。一箱揃っていれば安倍さんに送ろうと店の方に尋ねましたが、休み明けでないと、と言われました。 やむなく自分が食べる分だけを買って帰りました。もちろんあっというまになくなりました。 安倍さん、うまくいけば来週もう一回送ります。 ただ来週は岡南ギャラリーの安人展があるので、荷物が受け取れないかもしれないというのが気になります。 |
No.583 | マスター | 2005-09-18 18:03:51.528934+09 |
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昨夜は斎藤宗匠宅での月見茶会に行ってきました。濃茶、薄茶、立礼、点心の各席が用意してあり、また向い側の空き地に座を組んでの尺八、琴の演奏がありました。 多くの客たちが、月と茶と演奏を楽しんでおられるふうでした。 行きつけたお席ですが思いがけない茶席配置と構成に新鮮な感動をおぼえました。 携帯で撮った写真ですが、近日中にものはら別室に掲載します。 |
No.584 | マスター | 2005-09-23 19:39:42.865419+09 |
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過日、安倍さんのアトリエを訪ねたときに李朝家具の上に備前茶碗が置いてありました。 「どうされました?」 「割れたんです」 「かすがいで直したら面白いんじゃないですか?」 「かすがいがないでしょう?」 「知り合いに作ってもらいます」 ということで、かすがいの型をかいてもらい茶碗とともに持ち帰りました。先日出来上がったので、以後毎日一服点てていただいています。 侘びたいいけしきとなってなかなかです。 ついでに竹花入の割れにもかすがいを打ってもらいました。 |
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