茶房ものはらへようこそいらっしゃいました。ごゆっくり閲覧ください。
No.495あしろ木2005-07-20 19:31:03.954951+09
はい。作家が持ってきて、今おいたばかりで、値段もついていませんでしたが、即決したのは当然です。

う〜ん NO20さんに聞いてみないとわかりませんが、「古志野峰紅葉」などを見た人は、うねっている印象が強烈に残るんでしょうね。
さむしろさんがおっしゃるように、安倍備前でさえ船酔いしそうなくらいうねっているのですから。桃山志野ともなると 尚のこと。
「動きを止めるためにへらを入れることがある。」というのは初めて聞きましたが、とても納得しました。(あおい)
No.496さむしろ2005-07-22 13:06:41.717724+09
ところが、案外「器体がうねっている」ということはわからないんではないかと思っているんです。つまり「うねり」の程度に応じてそのうねりを止めているんですから。
そして多くのもの、というより大部分のものについては「うねり」そのものがないか、あっても破滅的な「うねり」のため破滅の時点で「うねり」は止まってしまう。
また大部分の人は作品をみて心地よさを感じたり、なんとなく違和感を感じたりはしているだろうと思いますが、それを理屈で理解するには至らない。
そんなことを考えると「うねっている」ということを言えるのはどんな人だろうと興味をもったのです。
No.497あしろ木2005-07-23 09:06:24.949465+09
マスター したり尾さん さむしろさん 暑中お見舞い申し上げます。

なるほどねえ。私はとても安易な発想をしてしまったようです。
安倍さんの動画を繰り返し見たり、これまでのさむしろさんの話を読みながら、実際に安倍さんの水指を出して、もう一度まじまじと見ていると、今まで見えていなかったことが、次々と見えてきました。
今までは、織部様式にのっとた見方が出来ていなかったことに気がつきました。(あおい)
No.498さむしろ2005-07-23 18:01:19.388623+09
いやぁーほんと暑いですね。

こちらは先ほどから雷がなり夕立が降っています。一瞬ですが停電でPCがきれました。

夕立があがれば多少涼しくなるでしょう。
No.499あしろ木2005-07-24 16:38:45.381369+09
安倍さんの算木花入れは銅器写しなので、春夏秋冬どの季節もオールマイティーな感じで使っています。
以前青磁(もどき)の算木を一時手に入れていたのですが、これが又、この上なく花が入れにくくて、算木というのは、とても難しい花入れだと思っていました。
でも、安倍さんの算木は、全く問題なく、出番の多い花入れになっています。(あおい)
No.500さむしろ2005-07-24 18:04:52.603761+09
算木花入はどのように置くのですか?
つまり四方のうちの景色のいい面を正面にむけられるのか、あるいはどちらかに少し振る(ななめに置く)のかですが。
No.501あしろ木2005-07-24 20:16:48.062192+09
正式なことはわかりませんが、私はななめに置いて使っています。
どなたか、正式な置き方をご存知の方がおられましたら、教えていただきたいのですが、よろしくお願いします。
算木は、三角花入れのような動きがなく、端正なので、想像以上に多様な花を受け入れてくれるようです。(あおい)
No.502マスター2005-07-25 00:33:34.984572+09
毎日暑いですね。
手持ちの本によります。
掛物が横物の場合、花入れは前中央に置くのが原則。しかし、掛物と花入の格によってやや下座寄りに置くこともある。横物が禅語の場合には、花入がそれにふさわしく格式の高い真のものなら、中央に置く。
ただし、花入が行や草の場合は下座に置く。また、禅語であっても縦一行物なら、花入は前中央には置かないで下座に置くものとされる。
なお、花入を下座の方に置いた場合、花先の向きは床中央から見て正面になるようにする。

こんなことが書いてありました。
これだけではわかりませんが、青磁算木花入を床中央に正面を向けて置いている写真をみたような記憶があります。
No.503マスター2005-07-25 12:34:25.388678+09
算木とは、易で卦(け)を表す四角の棒。長さ約九センチで、六本あり、おのおの四面のうち二面は「こう」の陽を表し、他の二面は、陰を表す。

卦(け)とは、易で算木に現れる種々の象(かたち)、これで、人生や事柄の吉凶を占う。陰陽二種の「こう」を組み合わせるのを八卦(はっけ)といい、さらにこれを二つずつ配合して六十四卦を生ずる。
とあります。

あるお茶人さんにお聞きしましたところ、「備前焼の算木花入れの格は草なので、下座に正面を向けて使われたらいいでしょう。」とのことでした。
No.504さむしろ2005-07-25 12:45:21.903121+09
なるほど。なんとなくわかりました。
No.505さむしろ2005-07-25 17:57:40.660574+09
真行草がある事は知っていますが、一応、真を五つ紋とすると行は一つ紋で草は紋なしといった格式でしょうか。あるいはモーニング、黒のダブルあるいはスーツ、平服といった格式となるでしょう。
備前が草というのはそうだろうと思います。ただ伊部花入は無釉ものですが少し格上げをして行の扱いをしてもいいような気がします。ただ茶の世界の約束事にさからう気はありませんが・・・。
No.506あしろ木2005-07-25 19:21:15.503276+09
そうですね。同感です。
お茶席では、草の扱いなのでしょうが、一般に花を生けて楽しむときは、自由でいいと思います。
そのものが一番良く見えるように心がけています。(あおい)
No.507マスター2005-07-27 13:02:21.383853+09
今年最初の台風はなんとか最少の被害で済んだようですが、今日も暑いです。

明日が土用の丑ですが、先ほどうなぎの蒲焼の差し入れがありました。
すぐにいただきましたが大変おいしかったです。
これで今年の夏を乗りきります。
No.508さむしろ2005-07-27 19:30:12.234348+09
愛知陶磁資料館での桃山茶陶展に備前透文大鉢が展示されていました。
これこそ天下の大名品だ、と思って見る人は少ないかもしれません。
寸法は25.3×29と大きいものです。当時の茶会では2〜3人の客が普通であったらしいので随分大きい鉢を用いていたものです。
この備前透文大鉢が特別大きかったわけではなく、例えば備前月形平鉢は28.8×33ともう一回り大きいですし、他にも30pを超えるものがあります。20〜25pのものは江戸期に入って少し時代が下ってからのもののようです。
No.509あしろ木2005-07-27 20:22:59.851495+09
そうなんですか。聞くところによると、安倍さんがまだ無名の頃、安倍さんの透かし鉢が、以前銘を消されて古備前として売られているのを、安倍さん自身がみつけて、「これは、私の作品です。」と言ったことがあったそうです。
私が安倍安人を知ってからは、個展では透かし鉢にお目にかかったことがありません。一度知人が所有しているものを、見せてもらったことがありますが、これもまた、幻のような作品になるのでしょうか。
安倍さん また、作ってくれないかなあ。(あおい)
No.510したり尾2005-07-27 20:23:40.515348+09
随分ご無沙汰してしまいました。途中で何回かお話に加わりたかったのですが、少々忙しくて考えをまとめる時間がありませんでした。
ところで、私も、愛知の桃山の展覧会を覗いてみました。
今のお話で言えば、備前の鉢に限らず、唐津の鉢もかなり大きいものだった印象があります。
ともかく織部の時代のものは想像以上に大きいものが多いですね。しかも、あまり日本的な気がしない。これこそ自分の茶だ、自分の美だと、織部が言っているような気がしました。なんでもありの時代だったんだなと、つくづく感じました。振り返って、今の時代が妙に窮屈に思えてしまいました。
No.511さむしろ2005-07-28 09:43:28.220726+09
絵唐津松文大皿ですね。43.9pとなっています。
備前半月形平鉢(28.8×33)に盛る料理は、現代であれば焼き物あたりかと思いますが、この場合魚の切り身を客数を盛るわけです。大きな鉢に三切れ、と想像するとう〜んうなってしまうところもあります。
たしかに豪快といえば豪快です。また個人的好みとしては十二分に容認できます。
No.512したり尾2005-07-28 11:04:13.718539+09
もちろん私も、十分に容認できます。茶碗も大きいでしょう。峯紅葉が小ぶりといっても、利休のものに比べれば随分大きいわけで、何もかも、新しいものへ大胆に挑戦していく姿を感じます。
文化はこうして創っていくのだなと、改めて思いました。
No.513さむしろ2005-07-28 12:04:15.727261+09
安倍さんの落款を消された透かし鉢とはどんな作品だったんでしょう? 大いに興味があります。是非見てみたいものです。

志野の鉢も30pクラスのものがありますね。
当時は女性が加わることはまずなく、小人数とはいえ膝を組んだ武将・大商人達の席ですから、大きい、小さいだけでどうということはなかっただろうと想像します。
No.514マスター2005-07-28 23:47:45.721148+09
いまは、まず寸法がありますからね。
寸法の調和が優先して、ものの持つ力(総合的な魅力)の調和という視点に欠けるように思います。観る目の欠如といってもいいのかもしれません。
No.515さむしろ2005-07-29 20:13:51.27773+09
茶道が女性のものとなり、道具よりも点前、作法がその中心となったことが大きな原因のひとつでしょう。

安倍安人は織部様式を三角による展開であると言っています。
古備前の名品、志野茶碗、瀬戸黒、黒織部などが三角を基に造形されていることは現物をみればわかります。
古伊賀の名品花入に四方になったものがあります。
しかしこれも織部様式により造られたものだろうと思います。
No.516したり尾2005-07-30 08:12:24.796379+09
現代の寸法は利休によって定められたもののように聞いていますが、本当ですか。
もしそれが本当なら、織部はその寸法を無視したということになるのですか。それとも、その寸法に則っているのですか。
この際、詳しい方にお教えを賜りたい。是非よろしく。
No.517さむしろ2005-07-30 17:22:36.419313+09
炉とか台子とか寸法がありますね。確かに利休が定めたとの話しの記憶があります。茶道辞典があれば「かね」あるいは「かねわり」を調べてみて下さい。

風炉、水指、茶入、茶碗などをどの位置に置くのかについて、その中心を畳のなんぼ目に置くなどといっていた記憶があります。

かねわりとは別ですが利休形(あるいは好みか?)のもの(箸、柄杓などだったと思いますが?です)に寸法の定まったものがあります。
しかし、茶入、茶碗、水指、釜などに寸法の定めはありません。
懐石の鉢もそうですが、現代では八寸がころが良いといっています。そのころがいいというのがそうでなきゃいけない、大きいものはダメとなりやすいということですね。
茶の湯の道具にふさわしいものについて山上宗二が書いています(山上宗二記)。いま覚えていませんが、侘びている、風情がある、茶味があるといったことであったと思いますが寸法はいっていなかったと思います。
No.518したり尾2005-07-31 07:37:05.954069+09
ありがとうございました。茶道辞典を調べます。
以前安倍安人から利休が茶碗の寸法を、長次郎に指定したのではないかと聞いたことがあったもので、織部の寸法が気になり始めていたのです。
No.519さむしろ2005-07-31 14:36:58.336925+09
織部も同じく寸法を指定したのではないでしょうか。
鉢の寸法についてはどのような料理を盛ったかがわかれば成る程と納得がいくかもしれませんね。
No.520マスター2005-08-01 19:20:45.822194+09
茶道が(ほとんど)女性のものになってしまった現代では、茶道具というためには女性を意識した寸法にならざるをえないんでしょうね。

安倍さんは以前から水指にしても花入、茶碗にしても茶道具として造っているのではない、と言っておられました。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、造形物、アートとして造っておられるのだなと理解しました。
No.521したり尾2005-08-01 20:35:32.108275+09
女性が茶道をしてはいけないとは思いませんが、お稽古事になってしまった現代茶道に対する批判があると考えていいのでしょうか。
安倍備前は、もっと本質的に茶の道を歩んでいるということでしょうか。それとも・・・?
No.522マスター2005-08-02 10:21:03.312196+09
お稽古事はお稽古事でいいかと思いますが、利休時代の茶の湯は違うんだろうがなあ、との嘆きでしょうか。
利休時代は道具、精神性共に極めて高い意識のもとに行われただろうと推測しています。

現代のお茶人さんの大部分が、道具についての見識を高める努力がおろそかになっていて、道具の部分を楽しむことができない。そのために、こじつけっぽい道具の取り合わせに汲々として、客の方も理解に疲れる、そんな気がします。

安倍さんは絵画と同じようにアートの創作との意識ではないでしょうか?どう思われますか?
No.523したり尾2005-08-02 11:39:30.855608+09
基本的には同じ意識だろうと思いますが、絵画活動などの方がたぶんもっと自由なんでしょうね。それこそ、安倍さんご自身に聞いてみてください。
No.524マスター2005-08-02 18:14:04.425657+09
そうでしょうね。茶道具としての水指とか茶碗を名のる以上は百m自由形、二百m平泳ぎとかみたいに一定のルールのなかでやらないと参加出来ない。底が抜けた水指、茶碗やバケツのような茶入ではアートにはなりえても茶道具にはなりえない。
ルールがあるから他との比較もしやすいとも言えるでしょう。
そんなことを思います。
新しい分へ 過去分へ

クリックすると日本語トップページに戻ります。