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門脇 |
話はもどりますが、川島さんが来られたときに、ちょうど出来のいいものが揃っていたということで、それも巡り合わせの妙というか? |
安倍 |
ちょうど、東京都庭園美術館への出品がありましたから。あれは力を入れていたんで、用意していたんです。 |
門脇 |
はぁ、はぁ。そうですか。ちょうどあれが。いい巡り合わせだったんですね。 |
安倍 |
あれが1年ぐらい前からわかっていましたからね。 |
門脇 |
えぇ。 |
安倍 |
あそこでひとついいものを、と思っていたんです。 |
門脇 |
ふん、ふん、なるほど。で、たまたま川島さんが来られて、眠っていた話を思い出して話してみたら、そんな馬鹿なことはないすぐにやれ、と、言われた。 |
安倍 |
そう。Sさんが1年前に「安倍さん、あの手紙持って来た。」と言って持って来られ、ぼくも机の中に仕舞いこんだのを思い出して…。 |
門脇 |
はぁ。 |
安倍 |
それから探したです、あちこちを。 |
一同 |
(笑い) |
安倍 |
それで、もういっぺん読んでみようと思って。 |
門脇 |
はい。 |
安倍 |
でも、こういう状態ですからね(散らかったアトリエ内を示して)。その、探してもなかなか…。
川島さんに言われて、探したんです。ここら全部ひっくり返して。
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門脇 |
川島さんが来られてなかったら、この話はもう終わっている可能性がある。 |
安倍 |
終わり。もうほとんど終わっていたでしょうね。 |
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