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門脇 |
なるほど。で、作られるのは、こちらのアトリエがほとんどで。 |
安倍 |
そうですね。 |
門脇 |
仕上がったときには、焼きのイメージも一緒に出来ている。 |
安倍 |
そうそう。「ここへこんな味を出して」、「ここへぼたもちを出して」、「ここへどんな味をつけて」、だいたい出来ています。 |
門脇 |
すると、窯の位置もどこでとか、どういうふうに焚いてとか? |
安倍 |
そこまで全部、ロクロの上で決まっています。 |
門脇 |
ほう、ほう。で、窯は、どちらの窯で焼かれましたか? |
安倍 |
その都度ですね。あの桶は横田ですね。 |
門脇 |
ほう。横田の方も喜ばれますね。横田は、火襷がいいと聞いていましたが、伊部もいいのがとれるんですね。 |
安倍 |
これも横田かな。胡麻のかかりでね、横田のような気がしますね。 |
門脇 |
ほう、窯の癖で? |
安倍 |
そう、癖で。こういふうに集中的に一ヶ所にかかるのは、横田しかかからないんです。 |
門脇 |
ほう。窯の構造で、灰が散るとか集まるとか…。 |
安倍 |
これは、ここの窯なんですけどね。ちょっと散らばるんです。それはね、窯の構造上、集中的に火が流れていく方向があったり、それからまた広がっていったり、いろいろあるんです。 |
門脇 |
なるほどね。 |
安倍 |
だから、早く言うと、ぼくの窯で末田さんのようなものを焼くのは、まず難しい。あれは、末田さんの窯だから焼けるんです。 |
門脇 |
なるほど。薪は、だいたい松で。 |
安倍 |
そうですね。 |
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