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門脇 |
ほーう。で、やっぱり1300〜1350℃。 |
安倍 |
はい。 |
門脇 |
で、それは、1300℃なり1350℃なりにいけばよいということではない?そこまでの過程というものが? |
安倍 |
うーん。その過程がいろいろありましてね。だから、目的によるんです。例えば、伊部に力を入れるか、火襷に力を入れるか、土味に力を入れるかによって、その焚き方が違ってくるんです。要は、酸化と還元の関係ですからね。 |
門脇 |
はい。 |
安倍 |
その酸化をどこらでかけるか、還元をどのあたりでかけるか、で、お互いに還元を何回かけるか、酸化を何回かけるか、その違いだけなんです。 |
門脇 |
なるほど。すると、最初に、これは今回こういうふうに焼こうというのがあって、それに沿って焚いていくという。 |
安倍 |
そう、そう。だから、もう説明さえすれば、誰でも出来ます。 |
門脇 |
そうですか。(笑) |
安倍 |
説明さえすれば誰でも出来るから、困るんです。だから、説明したくないってことになるんです。 |
門脇 |
なるほど。 |
安倍 |
誰でも出来るんじゃなければいいんだけど、誰でも出来ることだから。 |
門脇 |
なるほど(笑)。 |
安倍 |
うちに若い子が何人かいて、この方法はこの子に教えて、この方法はあの子に教えて、というふうにしたら、二人は別のものが焼けてくるんです。 |
門脇 |
はい、はい。 |
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