「桃山陶の華麗な世界」(於:愛知県陶磁資料館)を見て(15)
さむしろ

知人のSさんから電話があり、是非愛知県陶磁資料館へ行きなさいと強く勧められました。Sさんは安人さんとも付き合いが長く、陶芸・アートに詳しくて見識の高い方ですが、愛知県陶磁資料館で桃山茶陶を見た後名古屋三越での二人展の安人さんの作品をみて、長い間漠然としていたもの、霞みがかかっていたものが晴れて、安倍備前がはっきりと見えたといっておられました。時間をとってまわってみようと思います。アートと職人物。アートたる所以がよりはっきりするかもしれません。

あしろ木

愛知県陶磁資料館へ行って来たという友人が訪ねてきました。「数多くの桃山の名品を見て、色々感じることはあったけど、最終的に思ったのはみんなとてもきれいだ。」ということでした。「特に印象に残ったのは、備前三角花入れだ。」と言っていました。実際は色がすごく鮮やかで下部のほうが大きかったそうです。(あおい)

あしろ木

愛知県陶磁資料館の図録を見ていると、安倍さんは、桃山の名品たちのいいところを安倍さんなりに噛み砕いて、消化して、備前の土を使って安倍さんの芸術的感性で現代にマッチした造形作品、つまり「安倍備前」に到達したと確信しました。(あおい)

さむしろ

陶陽作品の展示スペースと安人作品の展示スペースの雰囲気は違いました。峯紅葉は思ったより小振りだとの印象です。図録でみる正面左部分が腰へむけて大きく削りとられているのが初めてわかりました。前後左右から見ることが出来るよう展示されていてじっくりと見ることが出来ました。安倍さんの造形論を思い浮かべながら全体を観察しましたが、造形論と峯紅葉の造形は見事に一致していました。作りに稚拙さがなく円熟期のものであろうと思いました。

あしろ木

兎にも角にも、安倍さんの視点は 桃山の織部様式「桃山の名品」を見据えているということがよくわかりました。(あおい)

さむしろ

陶磁資料館では、このHPで連載中の動画「桃山茶陶の造形と焼成」のなかで安倍さんが詳しく説明しておられる備前三角花入、備前花入「太郎庵」、備前透文大鉢も展示されていました。いずれも最高傑作ということで、安倍さんの解説を思い起こしながら目を凝らして見て、解かった気で帰ってきました。しかし帰ってから、見たようでまだみていないことに気付き、がっかりしています。もう2~3回行ってみたい感じです。